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すみろぐ_Sumi-Log_

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物理数学メモ①:立体角

◎立体角の定義
端的に言うと「平面角の3次元拡張」
→「平面角」の定義を考える必要がある

・「平面角」(2次元角度)とは
平面上の同一点から出る2本の半直線の開き具合のこと
平面上における半径1の円から上記の2本の半直線が切り取る円弧の長さを考えるとよい

それを踏まえて「立体角」(3次元角度)が定義される
・「立体角」(3次元角度)とは
空間上の同一点から出る2本の半直線が動いて作る2つの錐面の開き具合のこと
空間上の半径1の球において,球の中心を頂点とする円錐が切り取る球面の面積を考えるとよい

☆空間上の任意曲面の立体角
空間上で、任意曲面Sと点Oを考える
SとOを結ぶ直線群によって,点O中心の単位球面が切り取られる面積Ω
この面積ΩがSの立体角

◎立体角Ωの数式表示
先と同じように、空間上に点O中心の単位球面と任意曲面Sをとる.

S上の点Mを中心とする微小面積ΔSをとる.その単位法線ベクトルをnとする.
このとき,ΔSは十分小さい面積だとすれば,ほぼ平面だと近似できる.
↑OM=r(ただし|r|=r)とし,nrのなす平面角をθとする.
このとき,ΔSのΔΩと平行な面積はΔScosθとなる.相似比1:rの円錐を考えると,
\[\Delta \Omega = \frac{\Delta {\rm S} \cos \theta}{r^2} \tag{1.1} \]
と書ける.両辺の極限を取れば,式(1.1)は
\[\begin{align*}
{\rm d}\Omega & = \frac{{\rm dS} \cos \theta}{r^2} \\
& = \frac{\boldsymbol{r} \cdot \boldsymbol{n}}{r^3}{\rm dS} \tag{1.2}
\end{align*}\]
したがって,Sの立体角Ωは,(1.2)の両辺を積分すれば得られる.
\[\begin{align*}
\Omega = \int\mspace{-11mu}\int_{S} \frac{\boldsymbol{r} \cdot \boldsymbol{n}}{r^3}{\rm dS} \tag{1.3}
\end{align*}\]
n≡dS(面積素ベクトル)とおけば,式(1.3)は
\[\begin{align*}
\Omega = \int\mspace{-11mu}\int_{S} \frac{\boldsymbol{r} \cdot {\rm d}\boldsymbol{{\rm S}}}{r^3} \tag{1.4}
\end{align*}\]
と書くこともできる.

◎立体角の計算
基本的には,直交座標よりも極座標変換した方が求めやすいケースが多い.
座標変換する際には,必ずJacobianを掛け合わせておかなければならない.

☆Jacobian
\[\begin{align*}
x_i=f_i(q_1, q_2, \cdots ,q_n) \ (i=1, 2, \cdots ,n) \tag{1.5}
\end{align*} \]
なる変数変換を考える.このとき,
\[\begin{align*}
\frac{\partial (f_1, f_2, \cdots ,f_n)}{\partial (x_1,x_2, \cdots ,x_n)} =
\left(\begin{array}{ccc}
\frac{\partial f_1}{\partial x_1} & \cdots & \frac{\partial f_1}{\partial x_n} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
\frac{\partial f_n}{\partial x_1} & \cdots & \frac{\partial f_n}{\partial x_n} \tag{1.6}
\end{array} \right)\end{align*} \]
で表される行列をヤコビ行列という.
ヤコビ行列のdeterminantをJacobianという.

・2次元の極座標(円座標)のJacobian
\[x=r\cos\theta, \ y=r\sin\theta \tag{1.7} \]
であるから,Jacobianは
\[\begin{align*}\left| \frac{\partial (x,y)}{\partial (r, \theta)} \right| & = \det \left(
\begin{array}{cc}
\frac{\partial x}{\partial r} & \frac{\partial x}{\partial \theta} \\
\frac{\partial y}{\partial r} & \frac{\partial y}{\partial \theta} \end{array}
\right) \\
& = \det \left( \begin{array}{cc}
\cos \theta & -r\sin\theta \\
\sin\theta & r\cos\theta \end{array}
\right) \\
& =r \tag{1.8}
\end{align*} \]

・3次元の極座標(球座標)のJacobian
\[x=r\sin\theta\cos\varphi, \ y=r\sin\theta\sin\varphi, \ z=r\cos\theta \ \tag{1.9} \]
であるから,Jacobianは
\[\begin{align*}\left| \frac{\partial (x,y,z)}{\partial (r, \theta ,\varphi)} \right| & = \det \left(
\begin{array}{ccc}
\frac{\partial x}{\partial r} & \frac{\partial x}{\partial \theta} & \frac{\partial x}{\partial \varphi} \\
\frac{\partial y}{\partial r} & \frac{\partial y}{\partial \theta} & \frac{\partial y}{\partial \varphi} \\
\frac{\partial z}{\partial r} & \frac{\partial z}{\partial \theta} & \frac{\partial z}{\partial \varphi} \end{array}
\right) \\
& = \det \left( \begin{array}{ccc}
\sin \theta \cos \varphi & r\cos\theta \cos\varphi & -r\sin\theta\sin\varphi \\
\sin\theta\sin\varphi & r\cos\theta\sin\varphi & r\sin\theta\cos\varphi \\
\cos\theta & -r\sin\theta & 0 \end{array}
\right) \\
& =r^{2}\sin\theta \tag{1.10}
\end{align*} \]

物理の勉強中に立体角というものが出てきたので,メモ程度に残しました.
間違っているかもしれない部分は,ご指摘いただけるとありがたいです.直します.
数式番号のはじめの"1"というのは,この記事(物理数学メモ)の1個目,という意味で用いています.
もちろん,次にメモを残すことがあれば,その記事内での数式番号のはじめには"2"が付きます.

具体的に講義で立体角が出てきたのは,まだ原子物理のRutherford散乱でだけです.
が,いつ出てきても見返しておけるように残しておきます.
ついでにJacobianについても軽く言及しておきましたが,もちろん実用レベルなので,踏み込むつもりはありません.
私は数学科ではありませんので.

では,今回はこの辺で.また思い当ったら適当にメモを残します.

(2015/06/20追記)
このブログにMathJaxを適応させました.
数式が綺麗に表示されます.

テーマ:物理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2015/05/24(日) 05:45:31|
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数学の時間 第2回『因数について』

pi.jpg

数学の時間、第2回です。
今回は、高校数学の根底であり、かつ受験まで最後までついてくる因数分解や、因数定理などで登場する「因数」という存在について。

単純にSkypeで出てきた話題をそのまま使っているだけですが。いわゆる手抜きです。


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  1. 2013/03/17(日) 22:17:30|
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数学の時間 第1回『ユークリッドの互除法』

pi.jpg

ということで、始めてみます。
個人的に気になっていることをその回のテーマにして、色々考えてみたり。新課程になって入った"整数"や、"複素平面"という分野などにも考えてみようと思います。

最初は新課程によって新しく入った"ユークリッドの互除法"について。

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  1. 2013/03/14(木) 15:59:09|
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